勝負に勝つか。
いや、負けて酒を飲むほうが勝ちぢゃろか。
●箸拳(はしけん)の話

宴もたけなわになり、「わしゃ、もう、よう飲まんぜよ」となった頃から、いよいよ箸券が始まります。酒の国土佐らしい座興です。「箸拳」は、土佐発祥のお座敷遊びで、江戸時代に高知県宿毛市から始まり、明治時代後期になって高知市内のお座敷に広まりました。箸拳は、文字通り、箸を使って遊ぶもので、皿鉢の取り皿に添えられた短めの「赤箸」が道具になります。
二人が酒と杯を真ん中に置いて向き合い。双方三本ずつ、赤い箸を隠し持って、お互いに出し合った箸の数を当てあうというもの。三本勝負で、負けた人が罰杯を飲むルール。お座敷のあちらこちらで、大きな声を上げながら威勢良く行われるので、県外の人は喧嘩が始まったのではないかと驚くようです。でも、負けるとこれ以上もう飲みたくない酒を飲まねばならないわけですから、双方が必死です。「濱長」は、高知県箸拳普及協会のメンバーとして、お客様に箸拳をお教えしています。
●可杯(べくはい)の話

可杯(べくはい)は、土佐のお座敷遊びには欠かせない戯れ杯です。呼んで字のごとく、酒を注がれると飲み干さない限り、下には置けぬ杯のこと。天狗杯は鼻が長く、おかめ、ひょっとこの杯には穴が開いているので、指でふさいでないければ酒がこぼれてしまいます。三味線に合わせて「べろべろの神様」の唄を歌いながら、絵柄を書いた独楽を回し、その独楽が差す人が絵柄の杯で酒を飲まねばなりません。
●菊の花
お座敷の人数分の杯をお盆に伏せて、その杯のひとつに隠された菊の花を引き当てた人がお酒を飲むという遊び。輪になって「菊の花、菊の花、開けて嬉しい菊の花」と歌いながら、順番に杯を開けていきます。当たった人は、それまでに開いた杯の数だけ、お酒を飲まなければならないので大変です。